浪漫日和

Seeking the romance of my life

夜の遊園地

本日は感想文

この本を読んだ人でないとちょっと面白くないかも。

 

 

だいぶ前になってしまうが、

浅田次郎の最新の短編集「帰郷」読了。

これらすべての話は背景が戦時中ではなく戦後であるのが特徴かな。

 

個人的に戦後が描かれている作品は小説に限らず映画でもドラマでも好き。

「THE PACIFIC」でも帰還編が一番好きだもんなあ

 

 

やはり、どの話も期待を裏切らない作品ばかり。

 

その中でも一番気に入った話は

「夜の遊園地」

 

今までにない面白い観点から作られたのストーリーだな〜と。

 

時は昭和30年代くらいかしら?戦後から復興への過渡期、

どんなに時代が移り変わろうとも心についた傷はそう簡単には癒えない。

過ぎゆく時代に取り残されている人々。

 

 

そんな人々の葛藤や苦しみが煌びやかでまばゆい夜の遊園地と対比されより虚しくもの悲しい印象を受ける。

 

戦死した者、生き残った者、どちらが悲運なのか?

 

 

遊園地のジェットコースター、お化け屋敷を通して蘇るあの生々しい戦時中の記憶。

 

目に見えるものだけが真実ではない、と諭されているような気分になる。

 

 

 

それに加え、親子の描写。

これもまたどんなに時代が過ぎ去ろうとも変わらぬ親子の絆。

大人になってすべてのことを知った今、もう一度母の声を聞いてみようとする主人公。

それでも母の新しい家族に迷惑のかからぬよう配慮する思いやり。切ないね。